Daily-EROtic 瑞佳

12/10
(例のシリーズです。なんつーか、いい加減ログをまとめないと…(汗)
「…あっ」
「いやですか?」
「い…いえっ…」
 瑞佳は首を横に振っていた。
 多少の戸惑いと躊躇を残したままではあったが、確かに嫌ではないという意志を示していた。それが何を意味するのかは、佐祐理の大きなベッドの上に二人がいる事を考えれば明白だ。
「いいんですね…」
 そう言うや否や、佐祐理の手が音もなく瑞佳の制服の下にもぐり込んでいく。
「く…倉田先輩っ…」
「…いいん、ですよね?」
 佐祐理は屈託のない笑顔を崩さずに言った。とても妖しい行為に及びつつある人間の表情とは思えない。
「は…はい」
 瑞佳はお腹に感じられるすべすべした佐祐理の手の感触を不安そうに見守りつつ、うなずいた。
 しゅる…しゅるっ…
「あっ…あ………」
 佐祐理の手はゆっくりと瑞佳の下腹部を這い回った。真っ白なブラウスの生地がもぞもぞとうごめき、少女と少女の柔らかな愛情表現を暗示している。
「ん……」
「ぅっ……ふぅんっ……」
 佐祐理はその体勢からすとんと瑞佳を押し倒した。そして唇を瑞佳と合わせる。
「んっ…んんーっ…んん」
「………」
 ぬるっ…と抵抗無く佐祐理の舌は瑞佳の口内に侵入していた。くぐもった声を上げる瑞佳の口の中を、佐祐理の赤い舌が効果的にくすぐっていく。もちろん腹部への愛撫も止まっておらず、しかもその刺激する部分は脇腹や恥丘に至るラインといった微細な所に到達しつつあった。
 ちゅ…ちゅる
「ん……んむぅっ…」
 瑞佳の力がどんどん抜けて、佐祐理のされるままになっていく。
「…んふぅっ…!」
 そして瑞佳が佐祐理に自らの吐息を味合わせた瞬間、佐祐理はすっ…と瑞佳のショーツの中に手を入れた。瑞佳がほんの少し涙に濡れた目を大きく見開く。
 ぬちゅ…ちゅくっ
「うっ…ふぅんっ…んー!」
 ほどなく、瑞佳の秘部は佐祐理が舌で口内をくすぐっているのと同じような音を立て始めてしまった。瑞佳は脚をよじらせて恥じらいを示すが、佐祐理は濃厚なキスを続けながらねち、ねちと瑞佳の敏感な地帯を刺激し続ける。佐祐理の指は、まるで瑞佳の性器を事前に観察していたかのように的確な動きを示していた。それだけ佐祐理が性戯に熟達しているという事だ。
「ん…んーっ…んーっ」
 瑞佳がいやいやと首を振る。佐祐理はしばしそれを追いながら、吸い付くような強い口づけを続け…
 ちゅぷっ…
「…ふぅっ」
 やっと、佐祐理が瑞佳の唇を解放した。舌を小さく出し、目は静かに笑む、そんないたずらな表情を浮かべながら…
「んっ…はぁっ…はぁっ! はぁっ…はぁ…はぁ…」
 瑞佳は乱れた息を整えるのに必死の様子だった。しかしそれが整ってくるにつれて、どんどん顔を赤くしていく。佐祐理の指は、瑞佳の秘裂の中でまだ動いているのだ。
「長森さん、敏感なんですね」
「はぁっ…そんな…ことっ…倉田…先輩っ…」
 瑞佳が手を髪の辺りに当てながら、視線をそらす。
「長森さんは、共学の所から転校されてきたんですよね」
「えっ…? んっ…は…はいっ…」
 ようやく息が収まってきたのか、瑞佳は一度唾を飲み込むと佐祐理にしっかりとうなずく。
「男の人と…」
「あ、ありませんでした」
「本当ですか?」
 佐祐理の目はあくまで笑っていたが、瑞佳の秘部を繰る指の動きが変に大きくなってきたようだった。ちゅくっ、ちゅくっと瑞佳を煽るような水音が響く。
「ほ、本当ですっ…」
 そう答える瑞佳の表情は、これまでになかった種の憂鬱さを示している。
 視線も、佐祐理からそらしていると言うより、何か全く別の物を見つめているような印象を与える物になってきていた。何か失ってしまった物を見つめるような、何か欠落してしまった物を見つめるような。それでいて、探している間に無くなった物が何なのか分からなくなってしまったような…そういう、救いようのない迷いが瑞佳の視線を規定しているようだった。
「………」
 佐祐理は何か疑いでも持ったのか、瑞佳の蜜壷へと指を近づけ、そこにつぷりと指を差し入れる。第一関節まで、ほんのわずかな挿入だ。
「あっ…う…」
 瑞佳のそこは、きつすぎるほどの締め付けを佐祐理の指に返してきていた。佐祐理の表情に垣間見えていた疑いの色が消える。
「長森さん…」
 佐祐理はにこりと笑いながら、瑞佳の頬を撫でた。そして身体を前傾させて、またキスを始めるほどの近くから瑞佳の目をのぞきこんだ。
「は、はい…構いません」
「いいんですね…」
「はい…」
 瑞佳は佐祐理の吐息が顔に吹きかかるのを感じつつ、肯定の返事をした。
「………」
 佐祐理は身体を起こし、自分のスカートに手を掛ける。絡み合う中で皺の寄り始めてしまったそのスカートを優美に脱ぐと、淡いピンクの色をしたショーツは下から思い切り押し上げられていた。その押し上げられた部分の頂点が、透明な雫に濡れている。
 シュッ…
 ためらいなく、佐祐理はそのショーツも脱いだ。
「あっ…」
 瑞佳は少女の身体に生えた長大な逸物を目の当たりにして、思わず声を上げる。
「長森さんも…」
「あっ…はい」
 佐祐理のうながしに、瑞佳も自分のスカートを脱ぎ始める。佐祐理の思い切りの良さには到底及ばないのろのろとした手つきだったが、それでも途中で思いとどまったりすることはなく、スカートを自分の爪先から引き抜いた。
 そして、佐祐理の愛撫によってじっとりと濡れてしまった白いショーツも、目を閉じながら脱いでいく。
「………」
 佐祐理は無言を貫いていた。瑞佳のショーツが膝を通過しても、瑞佳が膝を曲げながら少し脚を持ち上げても、その先からショーツを抜き取ってしまっても、無言だった。
 瑞佳は恐る恐る目を開く。
「長森さん」
 佐祐理は相変わらずの笑いを浮かべつつ、瑞佳の露わになった下半身と不安に満ちた顔を見つめていた。
「わかりますよね?」
「はい」
 瑞佳は言い、自分の指を濡れた秘部の中へと導き入れる。
 ぷちゅ…
 いやらしく濡れた音が立ったが、瑞佳は反応しなかった。
 くちゅっ、くちゅっ
 瑞佳はその状態から、指をくいくいっと動かし始める。どこか無造作な手つきではあったが、その指先はしっかりと敏感な突起に当てられているようだった。
「…宣誓します。わたくし、長森瑞佳はこの学園の規則に基づいて倉田佐祐理先輩に処女を捧げる事を誓います」
「わたくし、倉田佐祐理は、この学園の規則に基づいて長森瑞佳の処女を奪う事を誓います」
 佐祐理は瑞佳の素っ気ない宣誓にやや不満を抱いたようだったが、宣誓の言葉を言い終えると同時にすぐさま瑞佳の腰をつかんだ。瑞佳の痴態に、佐祐理は随分と興奮を覚えているようだ。
 そもそも、「儀式」に佐祐理自身の部屋を使う事も最近は滅多になかったのだ。この世話焼き型だが学園の雰囲気から浮いてしまっている転校生は、佐祐理の好みに合っているという事なのかもしれない。
「いきますよ」
「ええ」
 瑞佳が言うと、佐祐理は肉棒を濡れた割れ目の中にうずめていく。その先端部分は佐祐理の腰の動きで巧みにコントロールされ、ぴったりと瑞佳の入り口に当てられた。
 …ずぷぅっ…
 そして佐祐理が腰を押し出す。
 ずぷっ…ずぷぅ
「あっ…! ああっ!」
 佐祐理の肉棒はどんどんと奥深くに向かって入っていく。瑞佳はかすれた悲鳴を上げていた。
 確かに瑞佳の中は濡れているのだが…処女であることには変わりないのだ。佐祐理にしては、いささか乱暴な挿入と言える。
 ずぷ…ずぐうっ!
「ううぅっ!」
 瑞佳が喉をそらせながら叫ぶ。
「入りました…」
「あっ…あ…はい…」
 その、天井を見つめるような姿勢のままで瑞佳は答える。どちらかと言えば、答えたというより独り言を言っているような感じだ。
「う、動きます…ね…」
 …ずぷっ…ずぐっ!
「あうぅっ…」
 ずぷっ、じゅぐっ、ずぷっ…ずぐぅっ!
「っくっ…あっ…はっ…!」
 瑞佳の身体が激しく揺さぶられ、胎内の深くが勢い良く突かれる。瑞佳はロングヘアーの上で自らの体を悶えさせていた。快楽など感じられるはずもない。もちろんさっきの佐祐理の愛撫による興奮は残ったままだが、それは醒めることすらあれ大きくなることはなかった。
 じゅぷじゅぷ…ずちゅ
「うっ…な、長森さんの中…あったかくて、きついですっ…」
「あっ…ああ…あーっ…」
 何度も擦られている間に痛みに慣れてきたのか、段々瑞佳の表情も和らいでくる。それと反比例するかのように、佐祐理の顔に恍惚と苦しみを合わせたような表情が深まってくる。佐祐理の腰がビクッビクッと震え始めているのを見て、瑞佳もその意味を理解した。
「あっ…ああっ…佐祐理っ…佐祐理っ…もう…もう」
「倉田先輩…」
「ああーっ…佐祐理、出ちゃいますーーーっ!」
 そう叫んで、佐祐理はがづっと思い切りストロ−クを瑞佳の中に打ち込んだ。
「ううっ…」
 …びゅるっ! びゅっびゅっびゅっびゅっびゅっ! びゅぷ…!
「ああっ…ああーっ…はぁ…はぁ…いっぱい…出ちゃってますね…」
「…はい…」
 佐祐理が半分脱力したような声を出し、似たような声で瑞佳が返す。
 ぬぢゅる…
 ゆっくりと佐祐理が肉棒の瑞佳の中から引き抜くと、愛液と半透明の液体の混合物が血に交じってドロリとした音を立てた。
「はぁっ…」
 未だ残る異物感の中、瑞佳が安堵に満ちた声を出す。
「…舐めてください」
 しかし、そこで唐突に佐祐理が言った。
「え…?」
「長森さん…佐祐理のを舐めて、キレイにしてください」
「えっ…く、倉田先輩…?」
「長森さんなら…出来ますよね?」
 既に佐祐理の顔から笑みは消えている。
 初体験の相手にこれほど辛辣(しんらつ)になる事など普段の佐祐理にはないはずだが…今の佐祐理は、瑞佳に対してかなり威圧的に振る舞い始めているようだった。いつも笑みを絶やさぬ佐祐理だけに、冷たい真剣を帯びたその顔は危険な装いを帯びて見える。
「…………はい」
 その気迫に押されたのか、それとも元々そうしても良いと思っていたのか。瑞佳はゆるっ…と身体を起こし、秘裂から液体のこぼれ出しているのも拭かずに、佐祐理の肉棒に唇を近づけていった…



11/4
「ちょ、ちょっとこーへいっ、わぁっ!」
 瑞佳が、洗っていた皿を手から落とす。水が溜まったプラスチック製の白い洗い物入れに、ちゃぷんと音を立てて皿が落ちていく。
「瑞佳、動かないでくれ…脱がしにくい」
「脱がしちゃだめだよっ!」
 ザー…と、全開の水道の蛇口が洗い物入れの水面を激しく叩き続ける中で大きな声が飛び交う。
「なんでだよ」
 エプロンの後ろの紐を少しゆるめながら、浩平の指がエプロンの生地の下をずりずりと進んでいく。そして、瑞佳のスカートの前の方に到達させる。
「あ、洗い物まだ残っているんだからっ」
「じゃあ瑞佳は洗い物していればいいだろ」
 浩平が見えないところのボタンをぷちっ、と器用に外す。そして両手を使って、ずるずるずるっと淡いブラウンをしたチェックのスカートを下ろしていく。
「きゃっ!」
「今更驚くことでもないだろ」
「下着まで一緒に突然脱がされたら驚くよっ…」
「昔取った杵柄だ」
「そんなきねづか、自慢になんないよっ…あっ! だ、だめっ、浩平っ…」
 相変わらず出しっぱなしの水の音の中に、瑞佳の高い声が交じる。
 浩平はいつの間にかフローリングの上に身を屈めて、そこから頭を瑞佳の脚の間に突っ込んでいた。そして瑞佳の太股をぺろぺろと舐める。
「いやぁ…やめて、浩平…」
 浩平のさらさらした茶髪に内股をくすぐられていると、瑞佳も段々気分が変になってきた。脚を閉じようともせず、口元に手を当てて時折ぴくんと体を跳ねさせる。
 そこを見計らって、浩平は身を反転させた。天井を見上げる姿勢。この状態では、瑞佳の恥ずかしい部分を直接見上げる姿勢だ。
「浩平…?」
 瑞佳には、浩平がどうしているのかは見えない。だが浩平の頭が脚の間をするするすると上がってくると、ビクンと体を震わせて反応した。エプロンに前だけ覆われた瑞佳の性器に、浩平の顔が一瞬で近づく。
 じゅうっ…
「あっ…ああーっ…」
 そのまま、浩平は瑞佳の性器にむしゃぶりついた。上半分だけ陰に覆われた浩平の顔が、瑞佳の複雑な部分に押しつけられる。そして、上下左右にぐりぐりぐりぐりと動く。
「う…んんっ」
 瑞佳は自分の手の平の中に息を吐き出す。狭いところに入りたがるネコのような浩平の動きは、繊細さはなかったが瑞佳を興奮させた。
 …じゅるっ。じゅるじゅる…
「や、やだ…そんなに音を立てちゃ、やだよ…」
 瑞佳のはしたない液は、直接浩平の舌の上にあふれ出して、その都度綺麗に舐め取られていく。秘核を舐められている時に比べれば直接の快感は少なかったが、無理な姿勢で蜜壷を直接舐められるというのはまた独特の恥ずかしい感情を誘って、瑞佳の中からますます愛液をあふれさせる。
「あ…あっ」
 かくんっ…
 ついに瑞佳は切なくなりすぎて、自分の体重を支えきれなくなってしまった。膝が折れて、ふらっと床の上に崩れ落ちてしまう。
「う…うぷっ」
 その重みを顔に思い切り受けることになった浩平は、苦しげな息を漏らしながら瑞佳と一緒に床に倒れ込んだ。
「ご…ごめん、浩平…」
「何するんだ…圧死するかと思ったぞ」
「私、そんなに重くないもんっ」
「それとこれとは別問題だ…何にしても、おわびはしてくれよ」
 浩平はズボンのジッパーを下ろす。
「もうっ…」
 瑞佳は少し頬を膨らませながら、トランクスまで下ろして剥き出しになった浩平のペニスに顔を近づけていった。四つん這いの姿勢になった瑞佳のエプロンが床に垂れて、ヒップからのラインはかなりきわどい所まで見えるようになる。
 …ぺろ。
 ぺろっ。じゅる…
 幹の所を試すように舐めて、敏感な雁首に近い辺りを舐めて、それから唾液のたっぷりした音を立てながら亀頭の全体をしゃぶる。
「はぁっ…」
 そして、大きく息を吸い込むとぱくっと全体を口の中にくわえこんだ。
 じゅる…じゅる、じゅる
 頬の内側を使ってころころとこねくり回しながら、やはり唾液の音を立てて舌をぐにゅぐにゅと動かす。
 ちゅーっ…きゅぽん。
 そして、全体を強く吸い上げてからポンッと口を離した。
「ふぅ…浩平、うっとりした顔してる…このまましてたら出しちゃいそうなの?」
「んなことない」
 浩平はそう言うと瑞佳の体を横にごろんと転がして、仰向けにさせた。そして、一見すると下にきちんと服を着ているように見せているエプロンの下からペニスをぐいぐいと押し上げていく。腰をがっしりとつかんで、瑞佳の体を引き寄せている状態だ。
「このままするの?」
「面白くていいだろ」
「このエプロン、気に入ってるのに…」
「洗濯しろ」
「交代ばんこだもん」
 ちょっと口答えした瑞佳に構わず、浩平はエプロンの下に隠れた瑞佳の性器にペニスを押しつける。
 ぐちゅ、ぐちゅ
 浩平が入り口を探るためにペニスを動かすと、濡れた音がはっきりとしていた。
「こんなに濡らしてるんだから、エプロンだって濡れちゃってるだろ」
「浩平がしたんだよっ」
「濡れやすいのは瑞佳の責任だ」
 ぐちゅ…
 浩平が先を瑞佳の中にうずめる。
「ああーっ…あ…はぁ…」
 ぐちゅる…にゅぷん
「はぁ…浩平のがいっぱい…」
「いつもより濡れてるっぽいな…」
「おんなじだよ…」
 瑞佳はそう言いながら、自ら腰を軽く前後にゆする。
「いつも濡れてるんだもんな」
 ぐちゅっ、ぐちゅっ。
 浩平も腰を動かし始めた。
「その言い方、ちょっと意味が違うよっ」
 瑞佳も負けじと、さらに激しく腰を揺すり始める。
 二人とも、自分と相手の感じるところを知り尽くしていた。浩平のペニスは瑞佳の蜜壷の前の方の部分をごりごりとこすりながら奥を強く突き、瑞佳は浩平がペニスを引いた所できゅっきゅっと中を収縮させて締め付ける。そして二人の動きを助ける潤滑の愛液をとめどもなくあふれさせていく。
「はぁ…今日からこんな所でしていたら、この家全部ですることになっちゃいそうだよ…」
「いいだろ。俺達の家なんだから」
「そうだけど…」
「それに、俺の瑞佳なんだから」
「…浩平だって、私のこーへーだもんっ」
 瑞佳が腰をさらに速く動かし始める。
「お互い様か…」
 浩平もそれに合わせて動き、全身を包み込む恍惚とした感覚を一点に収束させていった。
「あっ…はぁっ…」
 瑞佳は額に手を当てて、惚けた顔をしながら腰を動かす。その目は、浩平しか見ていない。
「瑞佳…もう、出るからな」
「あ、今日はダメっ…あ、じゃないね」
「…何回言えば気が済むんだ、お前は」
「だ、だって、浩平って高校の時からいっつも中で出そうとするんだもんっ…! ずっと心配だったんだから…」
「そのぶん、これからやらしてもらうって」
 浩平がぐいっと腰を突き出す。
「ああ…」
 …びゅくっ! びゅっ、びゅ…
「あっ、あっ…浩平っ…あつい…」
 ビクンッ、ビクンッとエクスタシーの痙攣で浩平のペニスを搾り取るように締め付けながら、瑞佳は背中を何度も跳ね上げていた。
「ふぅ…」
 エプロンの下での射出を終えた浩平は、気怠そうな声を出しながら瑞佳の頬を撫でた。
 ザー…
「あっ…あっ、お水出しっぱなしっ!」
「な、なんだ? わざと出していたんじゃないのか?」
「そんなわけないよっ! ああっ、今日からこんなのじゃ家計簿がどうなっちゃうんだろ…」
「ま、意識が飛んじゃうくらいに気持ちよかったってことだな」
「知らないよっ…それより、浩平、抜いてっ! 早くお水止めないと…!」
「もう少し、中にいてもいいだろ」
「だ、だめっ…あっ」
 浩平が後戯にエプロンの上から胸を揉んでみると、瑞佳はまた喘ぎの声を出し始めた。



9/21
 がしっ。
「こ、こーへーっ、だめだよっ…」
「誰も来ない。大丈夫だ」
「浩平…?」
 瑞佳はいつもと同じように浩平をたしなめようとしたが、浩平が出した低い声に戸惑いの表情を浮かべる。
「だ、だめだよ」
「いや…」
 浩平はつかんだ瑞佳の手首を離そうとしない。加えられている力も、冗談とは思えないほどに強かった。何より、目が普段とは違う。元々浩平はどんな時でも飄々(ひょうひょう)と物事に対処するタイプだが、今の浩平は瑞佳が見たことがないほど真剣で焦った目つきをしていた。
「わ、わかったよ…いいけど、浩平のお家でね?今から行けばいいよ」
 瑞佳は浩平の目を見つめながら、微笑みを浮かべる。そして手首をつかんでいる浩平の手の上に、自分の手の平をそっと重ねた。しっとりとした体温を伝えるような触れ方だ。
「ほらっ…浩平、動物じゃないんだからする時と場所はきちんと考えようよ?」
 そうしてから、いつものようなたしなめの口調に戻る。
「前風邪引いた時も、浩平無茶したし…男の子ってみんなこんな風なのかな」
 瑞佳はそんな事を言いながら、するっと浩平の手の中から逃れようとする。
 ぐいぐい。
「…浩平」
 浩平は手を離そうとしなかった。
「長森」
「な、なに?」
 瑞佳はさらに二・三度浩平の手を引っ張ったが、浩平はやはり離そうとしなかった。瑞佳は困惑した表情を浮かべながら、浩平に向き直る。
「ここで、今じゃないとダメなんだ」
「なっ…なんで?私、逃げたりしないよっ」
「説明している時間も惜しいくらいなんだ…今は俺の言うことを聞いてくれ」
「わ、私だって事情を聞く権利くらいあるもん…浩平の事だったら」
 瑞佳は懸命に普段のペースを保とうと努力していた。
 長いつきあいだ。浩平がどういう行動パターンを持っているかくらいは理解している。今の浩平がそこから逸脱しているのは、いちいち確かめなくてもよく分かった。前、風邪引き中に無理矢理交わろうとした時すら、瑞佳は「浩平だから」と思うこともできたのだ。
「ちゃんと、家につくまで我慢したら好きなだけしていいよっ…ちょ、ちょっとくらい変なことしても怒らないから」
「………」
 瑞佳が無理矢理笑みを浮かべても、浩平はにこりともしなかった。無言で瑞佳の事を食い入るように見ている。瑞佳の笑みも段々と力を失い、視線は少しずつ下を向いていった。
「…どうしても、ここがいいの?」
「ここがいいんじゃない。ここじゃなきゃだめなんだ。そうしかできないんだ」
「なんで…なの?」
「説明に時間がかかりすぎる…瑞佳、頼むからスカートと下着を脱いでくれ」
「そ、そんなぁ」
 瑞佳はあまりに直接的な要求に、思わず不満そうな表情をする。
「できないなら、俺がする」
「えっ…きゃ!」
 ずるる。
 浩平は瑞佳の手を離してふらっと倒れ込んだかと思うと、その落下の勢いを使って瑞佳のスカートを脱がしていた。よほど力を入れていたのか、ショーツまで一緒に足首の所まで下げられてしまう。
 スカートめくりではなくてパンツ下ろし…小学生の時に浩平が瑞佳にしていた事もある凶悪なイタズラの一つだったが、今となっては全く意味が違う行為だ。
「や、やだよっ、人来るよっ」
 ぢゅっ。
「だっ…だめぇっ」
 浩平は瑞佳の脚の間を這いのぼるようにして伝い、顔面をぎゅっと瑞佳の秘部に押しつけた。そして舌を秘裂の間に突っ込んで、中を激しく舐め立てる。獣のような激しい舌使いだった。
「あ…ああ…」
 瑞佳は浩平の頭を押さえながら、きょろきょろと周囲を心配そうに見回す。セックス経験がまだ乏しい瑞佳は、同じくセックス経験に乏しい浩平の舌戯だけで取り乱すことはなかった。確かに、ぐにぐにと柔らかな粘質の物体が自分の身体の中に侵入してきているのは恥ずかしい。しかし既に一度浩平にされた事であるし、何より瑞佳は行為を見とがめられる事を心配していた。
「ほ、本当に来るかもしれないよ…そしたら私たち退学」
 ぬちゅ。ねちゅる…
 瑞佳の言葉に浩平は全く構う素振りを見せず、瑞佳の肉孔の中に舌を差し込んだ。
「ん…ほ、本当にそしたら大変だよ…生徒でも、噂になっちゃうかもしれないし…そしたら恥ずかしくて学校に来れなくなるよ…」
 ぬちゅ。
 浩平が舌を抜いて、立ち上がる。
「あ…そ、そうだよ、家に…あっ」
 かちゃ…すとん。
 瑞佳が一瞬の安心を見せたのも束の間、浩平はベルトを解いてトランクスごとズボンを脱いでいた。そして、革靴と一緒に脱ぎ捨てる。服が汚れるとか、あとで履きやすいようにとか、そういう事を完全に無視したやり方だ。
「ちょ、ちょっとっ…浩平」
「長森…いくぞ」
「わっ、わ」
 浩平は瑞佳の身体をがしっと抱えると、窓の方を向かせる。そしてブラウスの掛かっているヒップにペニスを押しつけながら、瑞佳の身体を窓に向かって倒した。
 靴を履いて、足首の辺りにスカートとショーツを引っかけたままの瑞佳はその場にとどまれず、バランスを崩して倒れそうになる。
 どん。
 瑞佳は窓の枠に手をついて、何とかバランスを取った。しかし、それはどう見ても浩平に向かって求めているような格好だ。瑞佳が頬を赤くする。もっとも、瑞佳の羞恥の原因は姿勢だけではないようだった。
「ひ、ひと、いるよ…たくさん」
 瑞佳は、後ろを向いて浩平に訴える。確かに、窓の下には運動をしている生徒達が数多く見えていた。ちょうど部活動の時間だ。
 ずぶっ。
「ああーっ、浩平…」
 だが浩平は全く耳を貸さず、無遠慮にペニスを瑞佳の中に突き刺した。腰を押しつけたと思ったら二秒後には中まで突っ込んでいるという、思いやりのカケラも感じられない入れ方である。瑞佳は眉をしかめていた。まだ瑞佳にとってセックスは二回目なのだ。唾液で潤滑させられているとは言え、抵抗感が消えるわけがない。
「い、いやだよ…こんなの」
 顔を窓の外に向けてしまっているため、瑞佳は殊更に表情を大きく変化させる事はできなかった。出来るだけ平然を装う。
 外からは上半身しか見えていないのだし、ここは4階だ。下から見ている人間がいたとしても、部活動を瑞佳が普通に見ているようにしか思えないだろう。瑞佳が相当表情を動かしても、バックで犯されているなどという想像力を働かせる人間はいないはずだ。
 ぱんっ…ぱんっ。
 浩平は自分の腰を打ち据えるような力で瑞佳を突き上げていた。瑞佳の脚に浩平の脚がぶつかり、リズミカルな音が立つ。袋の部分が揺れて、瑞佳のヒップにぴたぴたとくっついたりもしていた。姿勢の上でも、激しさの上でも獣的だ。
「ああー…浩平…」
 何回浩平が突き上げたろうか。ようやく、瑞佳の中にも瑞佳自身の潤いが生まれてきた。ぬるんとした感触を使って、浩平はさらに激しいストロークを行う。割と濡れやすい瑞佳の体質が幸いしたようだった。経験の浅い少女がヴァギナの中を無茶苦茶に突かれただけでは、なかなか濡れないはずなのだ。
「ん…んん」
 瑞佳は少しだけ甘さを帯びた声を出した。性感にはまだ疎い瑞佳だったが、浩平にされていると思うだけでも気分は違う。ふわっと包み込まれるような気持ちがする。
「んっ、んっ…ん」
 …あ。
 瑞佳がふと意識を留めた。
 …やだ…
 いつの間にか腰を振っていた自分に瑞佳は赤面する。
 している場所は常軌を逸していたが、浩平が入れていると思っている内にあまり気にならなくなってしまっていたのだ。さすがに興奮を高鳴らせるという事まではなかったが、瑞佳はこの状況に順応してしまったようだ。どこかの猥談で聞いたような状態になってしまっている事に、瑞佳はますます顔を赤くする。
「あ…うぁ」
 ところが、口から漏れるはしたない声は止まらなかった。浩平がじっくりと取り組んでやれば、瑞佳はそれなりにエッチな少女になるのかもしれない。
 しかし…
「長森…!」
「えっ」
 ぎゅっ。
 どくん、どくんっ…どくっ…
「こ、浩平っ…あーっ…」
 突然奥深くにペニスが突き刺さったかと思うと、その先端から灼熱の液体がほとばしって瑞佳の中を叩いた。浩平は本当に獣になったような荒い息を立てながら、瑞佳の背中に顔を押しつけてくる。
 …どくっ………どくっ
「も、もうっ…だ、出すときはちゃんと言ってよっ…私が大丈夫な日じゃなかったら、大変なことになるんだよ」
「長森ぃっ…」
「本当に…だからね」
「長森…長森」
「もう…浩平」
 何度も名前を呼ぶ浩平が可笑しくなって、瑞佳は微笑んでしまった。
「長森…」
「はいはいっ。ここにいるよ、浩平。すぐに出しちゃう浩平」
「そうか…そうなのか…」
 瑞佳は性感の面ではそれほど満足できなかったが、不思議と幸福な感情になっていた。愛のあるセックスというのは、やり方ではなくて気持ちの問題なのかもしれない…などという事まで思い始める。
 浩平の精液でいっぱいになったヴァギナで、瑞佳はやわやわと浩平のペニスを締め付けていた。そうやってつながったまま、二人は夕日が射し込んでくるまでずっと廊下の隅の陰にいた。




7/4
「うあぁっ…浩平っ」
 瑞佳は必死に浩平の身体にしがみつく。
「だ、大丈夫か?長森…」
「う、うん、大丈夫」
 目には涙がうっすらと浮かんでいたが、瑞佳はそう答えた。両腕で浩平の身体を固く抱きしめながら、挿入の痛みに耐える。
「痛くなく…はないか」
「ちょ、ちょっとは痛いかもしれないけれど」
 しかし、そう言いながらも瑞佳は無意識のうちに腰を不安定に持ち上げようとしてしまっている。浩平が身体を突き出す方が安定しているために入っていかないという事はなかったが、その姿を見ていると浩平は躊躇を覚えてしまう。
「なぁ、長森、お前、はじめてじゃないよな?」
「えっ…浩平、何言ってるのっ」
「いや、そりゃそうなんだが」
「こ、こーへいが、風邪引いてるのに無理矢理したんだよっ」
「確かに。そうだな」
 挿入が半ばまでしかされてない、中途半端な状態で二人は問答しあう。瑞佳は全身を固くこわばらせて、ペニスを引き抜いたり呑み込んだりしないように努めていた。もっともそうすれば自然と締め付けが強くなってしまって、苦痛が生まれるのは間違いない。
「いやだから、だったらもう少しこういうので痛がらなかったり、自然に入っていったり、積極的に動いてくれたりしてくれてもいいと思うんだが」
「ば、ばかぁっ、浩平、そんなの思いこみだよっ」
「そうなのか?」
「だって、一年もしていなかったんだから…」
「ふさがっちゃったわけだ」
「ば……ばかばかぁっ!浩平、何言ってるのっ!」
「長森の言うことを翻訳すると、そういう風にしか取れないと思うんだが」
「はぁっ…浩平、こんな時にも相変わらずだよ…」
 瑞佳は不自然な体勢のまま、嘆息する。
「でもとにかく、このままじゃ仕方ないと思うんだが」
「う、うん」
「ということで、腰を下ろしてくれるか?」
「えっ!な、なんで」
「いや、俺が腰を上げても長森が腰を下げても一緒だと思うぞ」
「気分の問題が違うよっ」
「じゃあ、このままでずっとしてるか?」
「うっ…わかったけど」
 瑞佳は慎重に腰を下ろし始めた。狭い部分を押し広げるようにして、浩平のペニスが徐々に内部に侵入してくる。
「いっ…いたあぃっ…」
「なんだか、最初の時よりも辛そうに見えるんだが…」
「あ、あのときは我慢してたんだもん…痛いよっ」
 それでも、瑞佳は少しずつ身体を落として、ついには完全に浩平の腰の上に座る体勢にたどりついた。深々と突き刺さったペニスは、ちょうど瑞佳の一番奥を叩く位置にある。
「ご苦労様って感じだな」
「痛いよ…」
「そうだなぁ」
 浩平はふと思いついたように、瑞佳の秘裂に指を伸ばす。
「な、なに?浩平」
「確か、ここって気持ちいいんだよな」
 結合部分の上の辺りに指が当たって、適当なタッチで触り立てる。
「ひぅっ…こ、浩平、駄目だよそこっ!」
「お、長森が感じているぞ」
「違うよっ!ただ、びっくりして、ぎゅってなっちゃって痛いから…」
「ぎゅっ?」
「ぎゅ、ぎゅって…」
 浩平が再びそこを触ると、瑞佳の中が収縮してきつく締め付ける。
「ほ、ほらぁっ」
「俺は気持ちいいんだが」
「そんなの、浩平のひとりよがりだよっ」
「ということで、長森がここで感じれるようになれば万事OKだな」
「全然OKじゃないよっ…こ、浩平、もうやめてよっ」
 瑞佳が身体をよじりながら抗議する。だが浩平は何かを探るような手つきでその部分を刺激していった。
「なんだか、固くなってきたみたいなんだが」
「し、知らないよ」
「それから、長森の中のぬるぬる感がアップしてきたような…」
「へ、変な表現しないでっ…」
「これって、ここの皮剥いていいんだよな」
「だめっ!絶対にだめだよっ!」
「じゃあやってみる」
「あっ…こ、浩平のあまのじゃくっ」
「何を今さら…」
「ほ、ほんとにそうだよっ…はぁっ…」
 しかし嘆息している間もなく、すぐに露わになったピンク色の突起に対する愛撫が開始される。瑞佳は眉をしかめながら、しきりに脚を閉めたり開いたりの落ち着き無い動作を始めた。
「なんだか、急に静かになったな」
「あ、呆れてるんだよ」
「そうか…」
 ここぞとばかりに、浩平は突起を押しつぶすような強い刺激を連続して加えていく。
「だっ…だめ…そこ、だめだよぉっ…こうへいっ」
「何が駄目なんだ?」
「い、痛くなっちゃうから…なっちゃうから…なっちゃうからあぁっ!」
 ピクン…!
 突如、瑞佳が全身を小さく震わせた。
「え?」
「…はぁっ………はぁっ……」
「な、長森?長森?どうかしたか?」
「……んはぁっ……はぁ………どうも…しないよ…」
「今、突然飛び跳ねたよな」
「痛かったんだよ…」
「ひょっとして、気持ちよくて」
「違うもん…」
「そ、そうか」
 なぜかぎごちなく浩平は受け答えした。
「え、えっと、少し動いて良いか?」
「うん…」
 普段のしっかりした姿とは違う、どこか憔悴したようにすら見える瑞佳。浩平はやや不安感を持ちながらも、上下の運動を開始していった。